ANAのマイレージで発券する「スターアライアンス世界一周特典航空券」のルールがあるのですが、公式ページでは詳しく書かれていないので、陸マイラー初心者の方でも理解してもらえるように分かりやすく解説します。
ルールを知ることで、ルート作りがアレンジできるようになります。世界一周ルート作りに役立てくださいね。
ANAマイル世界一周特典航空券のルール
ANAマイレージ利用による「世界一周特典航空券」のルールは、公式ホームページに次のように記載があります。
世界一周の旅程のみ、全旅程の距離(区間基本マイレージの合計。地上交通区間は移動マイルとして計算に含めません。)に応じて必要マイル数を算出します。太平洋、大西洋を1回ずつ飛行機を利用して横断する必要があります。ルートは東回り、あるいは西回りのどちらかで逆回りはできません。出発地と最終帰着地の間で最大8回の途中降機が可能です。(ただし欧州での途中降機は3回まで、日本国内での途中降機は4回までです。)また、出発国に戻る最後の国際線搭乗は、最初の国際線搭乗から10日目以降になります。旅程は最大12フライト区間に加え、最大4区間の「地上移動・同じ都市での異なる空港間移動」が可能です。
※ANAウェブサイトではご予約になれません。ANAマイレージクラブ・サービスセンターにご連絡ください。
出典:http://www.ana.co.jp/amc/reference/tukau/award/tk/zone.html
ここでいう「世界一周の旅程」とは、
- ①出発した国と同じ国に戻ってくること
- ②大西洋・太平洋を1回ずつ飛行機を利用して横断すること
- ③ルートは東回りまたは西回りで逆回りをしないこと
のことを指します。「世界一周特典航空券」のその他のルールとして、
- ④全旅程の区間基本マイレージの合計によって必要マイルを計算する
- ⑤途中降機は最大8回まで(欧州での途中降機は3回、日本国内は4回まで)
- ⑥最大12フライト区間まで
- ⑦地上移動(サーフェス区間)・同じ都市での異なる空港間移動は最大4区間まで
- ⑧出発国に戻るのは最初の国際線搭乗日から10日目以降
などがあります。それでは、1つずつ見ていきましょう。
①出発した国と同じ国に戻ってくること
世界一周特典航空券のルートは、最初に出発する国に戻って来る必要があります。ただし、国が同じであれば出発地と帰着地の都市は異なっても構いません。例えば、関西空港から出発し、帰りは東京を帰着地とすることができます。
また出発国は自由に選ぶことができます。日本だけではなく、海外に設定しても問題ありません。
②大西洋・太平洋を1回ずつ飛行機を利用して横断すること
これは「世界一周」の定義にもあり、有償の世界一周航空券でもルールは同じです。
僕たちの場合は、大西洋はパリ⇒ニューヨーク、太平洋はサンフランシスコ⇒東京のルートを選択しました。
③東回りまたは西回りのどちらか一方通行
これも「世界一周」の定義にもあり、有償の世界一周航空券でもルールは同じです。
東回りはフライト時間が短いという利点があり、西回りは時差ボケの影響が少ないというメリットがります。
僕たちは滞在地の季節のことを考慮し、西回りを選択しました。
④全旅程の区間基本マイレージの合計で計算する
必要マイルは全旅程の区間基本マイレージの合計で計算されます。有償の世界一周航空券では、地上移動も運賃計算の基準となる全旅程の区間基本マイレージに加算されるのですが、世界一周特典航空券では加算されません。これは大きなメリットですので、覚えておいてください。
例えば、
- A:東京↓
- B:ロサンゼルス↓
- C:ニューヨーク↓
- D :パリ↓
- E:東京
と飛行機で移動する場合、全旅程の区間基本マイレージの合計は17,739マイルです。このルートで、例えばロサンゼルからニューヨークまで、レンタカーを借りて横断する旅程を組み込んだ場合、「地上移動(サーフェス区間)」分は加算されないため、ロサンゼルス〜ニューヨークの区間基本マイレージ2,458マイルを節約できます。
区間基本マイレージは、「スターアライアンスbook&flyツール」で簡単に計算できます。使い方は別途詳しく解説します。
⑤途中降機は8回まで
「途中降機(ストップオーバー)」とは、同一都市に24時間以上滞在することを指します。
世界一周特典航空券では、最大8回まで途中降機ができます。ただし、欧州エリアで最大3回、日本国内で最大4回という別の制限もあり、この2つのルールを守ることになります。
24時間以内であれば、例え空港の外に出た場合も「乗り換え」となります。より多くの都市に滞在したい場合は「乗り換え」をうまく活用しましょう。
例えば、フランクフルトに午後1時に到着する便だったとるすと、夕方と夜を楽しんで、翌日の午前中に次の便に乗れば「乗り換え」扱いとなり、「途中降機」の最大8回の制限にカウントされません。
また、バンコク→東京と進む場合に、一度香港を「経由」するような便もありますが、便名が変わらなければ「経由便」、便名が変われば「乗り換え」となるので、この違いも覚えておきましょう。
3つの言葉が出てきて、少しややこしいと感じるかもしれませんが、少しずつで構いませんので、慣れていきましょう。
- 「途中降機」・・・24時間以上の滞在
- 「乗り換え」・・・24時間以内の滞在
- 「経由便」・・・目的地以外に空港を経由するが便名が変わらない
⑥最大12フライト区間まで
世界一周特典航空券では、最大12回のフライトができます。
例えば、大阪→香港へ”直行便”や便名が同じ”経由便”を利用する場合は1区間ですが、大阪→東京→香港といった”乗継便”を選択した場合は、2区間のカウントとなります。
また東京→上海(地上移動)香港→バンコクといった地上移動は、特典航空券の場合フライト区間としてカウントされないので、この場合2区間(東京〜上海、香港〜バンコク)として扱われます。
直行便や地上移動をうまく活用することで、回数制限やマイレージの節約になります。
⑦地上移動・同じ都市での異なる空港間移動は4区間まで
「④」のパートで紹介しましたが、世界一周航空券は、到着地と次に搭乗する便の出発地が異なるルートを組むことができます。運賃計算の元となる区間基本マイレージの節約になるので、LCCの発達している欧州などで特に有効です。
ただし、最大4回までという制限があります。
気をつけなくてはならないのは、大阪→羽田→成田→香港といったルートを選んだ場合、羽田空港から成田空港の移動も、1区間とカウントされるので覚えておきましょう(フライト区間にはカウントされません)。
⑧出発国に戻る最後の便は出発から10日目以降
10日間以上のルートを組む必要があります。最初の国際線フライトが9月1日だった場合、出発国に戻る便は9月11日以降でなければなりません。
キャンセル・ルート変更について
初回のフライトまでであれば、一人3,000マイルでキャンセルが可能です。
発券後は、航空会社の変更、ルートや座席クラスの変更はできません。ただし、同じ航空会社・ルート・座席クラスを条件に、別便に空きがあれば変更が可能です。
人気の長距離路線なら空席がない可能性が高く変更が難しいかもしれませんが、そうでなければ、発券後でも日時の変更ができるので、出発が先の旅程で予定がよみにくい場合でも気軽に発券できそうです。
ルートや航空会社は変更できないので、発見前にルートはしっかり決めるようにしましょう。
手数料・その他の費用について
燃油サーチャージ・空港税・航空保険料などは別途請求されます。区間や発券時期にもよりますが、一人5〜10万円程度を見込んでおくと良いと思います。僕らの場合は、一人70,290円でした(2017年9月)。
またオンライン予約ができないため、ANAマイレージサービスセンターに電話する必要があります。その際の手数料は1名につき2,160円が必要です。(AMCダイヤモンド会員は無料)
まとめ
ルールが一見煩雑に見えますが、一つ一つはシンプルなものです。
- 最大12回飛行機に乗れる
- 最大8都市に24時間以上滞在できる(欧州3回まで、日本4回まで)
- 地上移動・空港間移動は最大4回までOK
と、今はざっくり覚えておくくらいで大丈夫でしょう。分からなくなったら、またこのページを読めば大丈夫です。