はじめに:本記事はマイルで発券する特典航空券ではなく、現金で世界一周航空券を購入される方向けの情報です。
僕たちは、マイルで世界一周特典航空券を発券しましたが、出発まで期限が迫っている場合は十分なマイルを貯めることが難しく、現金で世界一周券を購入することになると思います。
マイルで発券できれば現金での支出がない分、旅先での予算にまわせるのでお勧めですが、世界一周航空券を現金で買うメリットもあります。
ただし、何も情報を知らず、計画無しで世界一周をすると、本来得られるはずのものを得られていない方が多く見受けられるので、世界一周航空券を現金で買う際のポイントを整理してお伝えしたいと思います。
世界一周航空券はいくつかありますが、当記事ではスターアライアンス(ANA)を中心に発信します。ワンワールド(JAL)についても殆ど同じ内容なので、参考になるかと思います。
世界一周航空券を現金で買うメリット・デメリット
世界一周航空券の現金・マイル比較表
まずはスターアライアンスで飛行距離が29,000マイルの場合の、現金と必要マイルをチェック。
<比較表:29,000マイル/燃油サーチャージ&諸税等別/投稿時点>
エコノミー | ビジネス | ファースト | |
有償 | 358,000円 | 705,500円 | 1,141,000円 |
マイル | 120,000 | 170,000 | 260,000 |
現金でも”意外にお得”と思われた方もいるのではないでしょうか。実際に、日本から欧州へのファーストクラスは200万円以上することを考えると破格であることが分かります。
もちろん、マイルで発券できれば、この費用は必要ないのですが・・・。
有償世界一周航空券とマイル発券のルール比較
次にそれぞれの主なルールを比較。実際には下記以外にも細かいルールがあるので、発券の際には注意してください。
有償 | マイル | |
途中降機 | 3〜15回 | 8回まで |
最大フライト区間 | 16区間まで | 12区間まで |
オープンジョー | 5回まで | 4区間まで(地上移動は総マイルに含まれない) |
予約ルート変更 | 同路線・同クラスでの変更は可能。 ルート変更は125ドルで可能。 | 同路線・同クラスでの変更は可能。 ルート変更不可。 |
有償の世界一周航空券は、マイル特典航空券に比べて、途中降機ができる都市が最大15&フライト区間も最大16とより多くの都市を巡ることができ、特典航空券では貯まらない”マイルやpp/fop(これについては後述)”も貯まります。
一方、マイル特典航空券の場合は、自己手配する地上区間移動分は総マイルに含まれないので、欧州はLCCを活用するなどの工夫により必要マイルを節約することができます。
また有償の世界一周航空券は、気が変わってルートを変更したい場合125ドルで可能ですが、マイル発券の場合は予約後のルート変更はできません。
<関連記事:ANA世界一周特典航空券のルール>
世界一周航空券を購入する場合、「より多くの都市をまわれる、ルート変更が可能」というメリットがあることが分かりました。
この他にも「マイルが貯まる」、「上級会員資格が獲得できるフライトポイントが貯まる」というメリットもありますので解説したいと思います。
世界一周航空券はマイルが貯まるクレカで支払おう
JALのワンワールドでも、ANAのスターアライアンスでも言えることですが、世界一周特典航空券はクレジットカードで支払いましょう。
というのは、クレジットカードの種類によっては、2倍も3倍もマイルを獲得できるからです。
特に世界一周ともなれば、支払額と移動距離が多めなので、旅行が終わったときにはハワイが往復できるくらいのマイルは貯めれるでしょう。
世界一周航空券を買うだけでこんなに変わる
スターアライアンスの世界一周航空券を、ANAで発行する場合、ANAブランドのクレジットカード等で支払うとボーナスマイルが貯まります。(ワンワールドはJAL発行で、JALカードで支払いを)
<参考:世界一周航空券の決済によって貯められるクレカのマイル数概算/スタアラ29,000マイル>
搭乗クラス/カード種類(マイル最高還元率) | 楽天カード(最大0.5%) | ANA一般カード(最大1%) | ANA VISAワイドゴールド(最大1.71%) | ANA VISAプレミアム(最大1.95%) |
エコノミー | 1,800 | 3,600 | 6,200 | 7,000 |
ビジネスクラス | 3,500 | 7,000 | 12,000 | 13,600 |
ファーストクラス | 5,700 | 11,400 | 19,500 | 22,230 |
ANAアメックスゴールドカードやアメックス・スカイトラベラーカードのように、ANA航空券の支払いなら2〜5%貯まるクレジットカードもあります。
カードによって還元率が全く違うので、カードの年会費を考慮した上で、最大限貯まるカードを選びましょう。
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ANAグループ便搭乗で最大50%のマイルボーナス
世界一周航空券を購入し、ANAグループ便に乗ると、保有しているANAクレジットカードの種類によりボーナスポイントが貰えます。
ANAカードの場合はANAグループ便のみが対象で、提携航空会社の場合はボーナス対象となりませんので、ANA路線を長い距離乗るとマイルが多く貯まります。
<ANAグループ便を10,000マイル搭乗した場合>
搭乗クラス/カード種類 | ANAマイレージカード | ANA一般カード(積算率+10%) | ANA VISAワイドゴールド(積算率+25%) | ANA VISAプレミアム(積算率+50%) |
エコノミー(運賃倍率100%) | 10,000 | 11,000 | 12,500 | 15,000 |
ビジネスクラス(運賃倍率125%) | 12,500 | 13,750 | 15,625 | 18,750 |
ファーストクラス(運賃倍率150%) | 15,000 | 16,500 | 18,750 | 22,500 |
世界一周をするとマイルはどれくらい貯まる?
ビジネスクラスで29,000マイルを飛行するルートで、うちANA便を10,000マイル利用した場合、
ANAアメックスゴールド保有・・・決済によるマイルが14,000マイル(2%)、フライトによるマイルが35,625マイルで、合計50,000マイル近く貯まるでしょう。
ANA便をできるだけ多く乗ったり、世界一周時に旅先でクレジットカードを利用すると、帰国の頃にはもっと貯まっているでしょうね。
SFC・JMB修行は世界一周で!上級会員資格を狙おう
ANAやJALには会員制度があり、飛行機に沢山乗るとステータスを獲得でき、様々な優待や特典を受けることができるようになります。
世界一周で沢山乗りますから、ステータスを狙わない手はありません。
ステータスを得るには、1〜12月までに貯めたポイント数「ANAはプレミアムポイント(pp)/JALはフライオンポイント(fop)」によって決定し、翌年のステイタスが決まります。
ppやfopは、区間基本マイレージを元に搭乗クラスや航空券の券種、路線によって計算されます。
世界一周で獲得したいステータス獲得に必要なポイント
最上級のステータスの獲得は一度では難しいので、世界一周航空券ではSFCプラチナ(ワンワールド世界一周航空券の場合はJGCのサファイア)を目指します。
ANA(AMCからSFCを目指します) | JAL(JMBからJGCを目指します) |
プラチナ:5万プレミアムポイント(うちANAグループ便2.5万)以上 | サファイア:5万FLY ONポイント(うちJALグループ便2.5万)以上、または 搭乗回数50回(うちJAL25回)以上&1.5万FLY ONポイント以上 |
SFC、JGC上級会員のメリット
プラチナやサファイアを達成すると、
”専用カウンターでのチェックイン、特典航空券優先予約、受託手荷物無料許容量優待、専用保安検査場、ラウンジ利用、優先搭乗、優先手荷物受取り”などのメリットを享受できます。
さらに、SFCならスターアライアンス、JGCならワンワールドのステータスも同時に獲得できます。
SFCとJGCクレカ保有でステータスは生涯継続
AMCでプラチナ会員になると、ANA SFC(スーパーフライヤーズカード)に申込可能です。また、JMBでサファイア会員になると、JGC(ジャル グローバル クラブ)に申込可能です。
それぞれ、クレジットカード(ANA SFC/JALカード)の年会費は必要ですが、クレジットカードを保有している限り、ステータスは生涯続きます。
ただし、ステータス条件のプラチナ・サファイアになってから、クレジットカードを申し込むと審査落ちしてしまうリスクがあります。審査落ちしてしまうと、ステータスの更新ができません。
よって、ステータスを狙うことが決まったら航空券を購入する前に、ANAカードまたはJALカードのゴールドカード以上を申込み、そのカードを使って世界一周に必要な航空券などを決済すると、マイルもステータスポイントも貯まり、ステータス達成後も切り替えだけでステータスを継続できるのでお勧めです。
プレミアムポイント、FRY ONポイントは世界一周でどれくらい貯まる?
世界一周でどれくらいのプレミアムポイント(pp)が貯まるのか、参考にANAの場合で見てみましょう。
プレミアムポイントは「区間路線×クラス・運賃倍率・路線倍率+搭乗ポイント」で求められます。
- 詳しい便計算方法はこちらをご覧ください
クラス・運賃倍率・・・世界一周航空券の場合、基本的にはエコノミー100%、ビジネスクラス125%、ファーストクラス150%
路線倍率・・・国内線2倍、ANAグループのアジアオセアニア路線1.5倍、その他の路線1倍
搭乗ポイント・・・国際線は積算率100%以上の前予約クラスで1区間400ポイント
です。(※詳細は例外もありますので、ご自身での計算をお願いします)
ビジネスクラスで29,000マイルを飛行するルートで、うちANA便のアジア路線を5,000マイル利用した場合、9,775プレミアムポイントです。
残り24,000マイルで14区間乗ると過程すると、
24,000マイル(区間基本マイル)×1.5(クラス路線倍率)×1(路線倍率)+5,600(400×14)となり、合計41,600ppです。
上記のANAアジア路線9,775ppを合わせると【51,375pp】です。ですので、アジア路線以外に北米や欧州路線など、ANAの長期路線に搭乗し、ANAグループ便で「25,000pp」という条件をクリアできれば、ステータスを獲得できます。
世界一周の飛行ルートによっては、ppが足りないかもしれません。もし少しだけ足りなければ、世界一周から帰国したあと、達成のために搭乗するのも良い投資になるでしょう。
SFC修行、JGC修行にも世界一周はお勧め
SFCとJGCは、一度達成すると生涯ステータスを継続できるため、ステータスを目標にする方が陸マイラーを中心に多くおられます。ステータスを取得するために搭乗することを「SFC修行」・「JGC修行」と呼ばれています。
インターネット上には、修行費用(?)をおさえて効率良く修行するルートが沢山紹介されていますが、世界一周航空券は楽しみながらステータスを獲得できるのでお勧めです。
まとめ
世界一周航空券を購入前に、クレジットカードやルートを工夫することで、大量のマイルを貯めることができ、SFCやJGCといったANAやJALのステータスを獲得できるのでお勧めです。
ステータスは一度手に入れると、対象のクレジットカードを保有している限り継続できるので、世界一周の際には狙いましょう。
<クレジットカードに申し込むならマイル部からの紹介がお得>
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ステキな旅を!